【会員限定インタビュー】ka-yu 4ヶ月連続リリース最終章「紫陽花」に込めた想い

2025年2月にスタートした4ヶ月連続シングルリリース企画。

そのラストを飾る第4弾「紫陽花」が、5月30日にリリースされる。

春の終わり、雨に濡れる花が語る静かな別れ――。

これまで力強くエモーショナルな楽曲でリスナーを魅了してきたka-yuが、本作で見せたのは、“静けさの中に宿る情熱”だった。

ka-yuがこれまでの3作で見せてきた力強さや切なさとはまた異なる、静謐(せいひつ)で深みのある世界観を描いた楽曲となっている。

自身の50歳という節目を迎え、新たな“余白”の表現に挑んだ本作。「生きていく中で、誰かや何かを失うことは避けられないけれど、それでも美しさは残る」。その静かな余韻が胸にしみる一曲だ。

レコーディングには、原田喧太(Gt)、kiyo(Key)、CHARGEEEEEE...(Dr)といった信頼のメンバーが参加。

アレンジ面では、バンドサウンドに加えてキーボードの音色が物語に寄り添い、歌詞に込められた“喪失”と“残響”の情景を浮かび上がらせている。

歌詞には「君を想う」心情と、「一人になっても咲き続ける紫陽花」というモチーフを重ねることで、儚くも優しいラストメッセージとして成立した1曲。

4ヶ月連続リリースの締めくくりとして「紫陽花」に託した想い、そして今のka-yuにとって“音楽”とは何か。その心の内を語ってもらった。


紫陽花ジャケット画像

紫陽花

2025.5.30 Release

▶️ 試聴する
🛒 CDを購入する
🎫 LIVE TICKET

CDにはInstrumentalも収録。
本日5月23日より第4弾「紫陽花」、iTunes Storeでの予約販売およびSpotifyでのPre-Saveを開始!
CDもSolid Beat ONLINE STOREにて予約受付中。



4ヶ月連続リリース、最後の曲に「紫陽花」を選んだ理由

── 「紫陽花」は、これまでの3曲と比べて、ぐっと静けさを感じさせる楽曲ですね。4作のうち、ラストにこの曲を持ってきた理由を教えてください。

ka-yu:

最初からこの4作を“ひとつのストーリー”として考えていたわけではないんですが、リリース時期の季節感にも合っていたので、最後の1曲として「紫陽花」を選びました。

この曲は以前から構想があって、2023年12月30日に開催したSolid Beat EXHIBITIONでのミニライブで初めて披露したんです。披露したあと、会場の空気がふっと静まり返って、感情の余韻がその場に残るような反応があって。

あの空気感がとても印象的で、「この曲はきちんと音源として残したい」と強く思いましたし、「連続リリースのラストにふさわしい」と確信しました。時期的にも梅雨と重なっていて、まさにぴったりだったと思います。

ひとりじゃないから」や「最後のKiss」、「Motto!」は、感情を前面に出して“伝える”ような楽曲でしたけど、「紫陽花」は少し距離を置いて、“そっと寄り添う”ような存在にできたらいいなと。

ラストは、あえて明るく締めるのではなく、静けさや余白を残すようなエンディングにしたかったんです。

2023.12.30 MINI LIVE SHIBUYA REX

メロディの原点とデモの雰囲気

── 「紫陽花」のメロディはどこから生まれたのか、 最初のデモはどんな雰囲気だったのかを聞かせてください。

ka-yu:

最初に浮かんだのはサビのメロディでした。
曲を書く時は、ギターを弾きながら鼻歌でメロディを探し、コードを決めて細部を詰めていくことが多いんです。

その作業中、ちょうど家の窓越しに雨を眺めていたら、ふと「咲いた紫陽花〜」というフレーズが口をついて出てきて… そこから一気に世界が広がりました。

最初のデモは本当にシンプルな構成でした。ドラム、ベース、歌、コーラス、ギターもバッキングをLRで2トラック、 メインフレーズを1トラック入れていたぐらいで。

音数が少ない分、逆にそのメロディの切なさや余白が際立っていて、それはそれでよかったのですが、「この曲はキーボードを入れたらどんな変化を起こすのだろう?」と思い、キーボードを入れることにしました。

でも、その“静けさ”のバランスは、最後まで大切にしながら作っていきましたね。

歌詞に込めた想いと、“紫陽花”というモチーフ

── 「紫陽花」は、喪失や別れをテーマにしながらも、どこか優しさや静けさを感じる歌詞が印象的です。歌詞を書くうえで意識したことはありますか?

ka-yu:

この曲の歌詞には、“別れを受け入れる”というテーマが根底にあります。誰かを失ったときって、どうしても感情があふれてしまう。でもその中で、「静かに想い続ける強さ」みたいなものを描きたかったんです。

紫陽花という花は、雨に濡れて咲く姿がどこか儚くて、それでいて、どこか芯の強さを感じさせる。だから歌詞でも、「残された人が一人になっても、誰かを想いながら生きていく」という、静かだけれど確かな強さを表現したかった。

季節の描写も意識しました。「6月の雨」とか「髪を撫でる風」など、風景と感情を重ねることで、聴く人の記憶や感情にリンクするようなものにしたいと思ったんです。

── ka-yuさんはこれまでも「桜」や「ダリア」、「薔薇」など、“花”をモチーフにした楽曲をいくつも発表されていますよね。「紫陽花」はそれらと比べて、どんな違いがありますか?

ka-yu:

僕にとって“花”は、感情を投影するモチーフのような存在です。

「桜」は“始まり”や“別れ”の一瞬を強く描いた曲。「ダリア」は華やかさの裏にある痛みや哀しみ、「薔薇の棘」はもっと攻撃的で、内面的な葛藤をぶつけた楽曲でした。

それに対して「紫陽花」は、“静かにそこにある想い”を描いている。色も形も派手に主張するわけではなく、じっとその場で咲き続けるようなイメージです。

“紫陽花 ”という花は、土の性質によって色を変えたり、雨を受けてやわらかく光をまとったりと、静かに環境と共鳴しているような印象があります。

そうした性質が、心の内をそっと映す鏡のように感じられて、この楽曲の世界観とも自然に重なりました。

ずっと曲にしたいと思っていた花だったので、ようやく形にできたことがうれしいです。

レコーディングとアレンジへのこだわり──「鍵盤を入れる決心が生んだ化学反応」

── 今作では、原田喧太さん(Gu)、kiyoさん(Key)、CHARGEEEEEE...さん(Dr)といったメンバーが参加されています。レコーディングで意識したことを教えてください。

これより先を閲覧するにはログインが必要です。