OUTSET SPECIAL INTERVIEW #2

OUTSET
OUTSET SPECIAL INTERVIEW #2
ka-yu 1st ALBUM
全曲解説
ka-yu本人が語る、
『OUTSET』収録12曲の背景。
Interview & Text HIROKI KATAGIRI

1st ALBUM『OUTSET』に収録された全12曲について、ka-yu本人が制作背景や聴きどころを語ります。ファン投票によって選ばれた楽曲、過去のデモから再構築された楽曲、そして今のka-yuだからこそ形にできた音。それぞれの楽曲に込められた想いを、順を追って辿ってください。

01
TRACK 01
SDBT – Make It Louder
ビートロックの原点を鳴らすオープニング

「もともとは僕のシルバーアクセサリーのブランド『Solid Beat』の紹介PVで使った曲です。僕の根底にあるのはやっぱりビートロックなんだなと最近気づいたんですが、この曲はまさにシンプルなビートロックを作りたくて形にしました。とは言え、ラウドロックっぽくも聴こえるような感じにもしたいなと思って、様々な要素を入れ込むようにアレンジしていったんです。構成的にはすごくシンプル。だからこそ、一層ビートロック感を強めているギターソロが個人的にお気に入りで、Kyrie君の良さもすごく出ていると思います」

02
TRACK 02
At the Edge
8年の時を経て、新しい生命を吹き込んだ一曲

「デモの曲名は「1127」。投票用に公開したときはまだ仮歌詞もついていなくて、ずっとラララだけで歌っていました。実は、8年前にまったく違うアレンジで完成していた曲なんですけど、今回もう一度デモから作り直してみたんです。リフだけで押していくシンプルな曲ですね。一番気に入っているポイントは、サビ後のギターソロ以降。歌が始まったらギターは少し引くアプローチになるのが一般的だと思うんですが、この曲ではそのままギターも一緒に歌ってくれるような構成で、すごくカッコ良い仕上がりになったなと思っています」

03
TRACK 03
最後のKiss (OUTSET ver.)
王道の構成に、ka-yu独自の「ロック風3/4拍子」を

「僕の大好きなコード進行、2ビートの勢い、メロディーラインを活かした曲です。僕の中ではわりと王道的な構成なんですが、シンプルながら懐かしさと新しさの両方を感じられると思います。3/4拍子に変わる間奏は、歌詞から"オルゴール"というキーワードが浮かんできたので採り入れたんですけど、ベタな感じにはなりすぎないように、僕なりの"ロック風3/4拍子"というテンポ感を目指しました。聴きどころは、この間奏も含めた曲全体の構成ですね。僕の中ではBメロがなく、Aメロの後にも2回サビが続いているイメージなんです」

04
TRACK 04
Red Sun
低音とスラップが生む、異色のビートロック

「もとのタイトルは「赤い太陽」で、投票で選ばれた曲です。ただ、皆さんに聴いてもらったときからキーを下げていて、今まで作った曲の中で一番低い曲になりました。ギターもハネているし、ドラムもだいぶワケのわからないことをしてくれているので、全体として面白い曲になりましたね。聴きどころとしてはスラップ奏法でしょうか。僕はアレンジに困るとスラップに走るんですが(笑)、この曲ではギターソロ後にギターもスラップを始めるんです。その一連の流れが今までと違った感じを出していて、新しさを感じてもらえると思います」

05
TRACK 05
That day
尾崎豊へのリスペクトと、切なさの世界観

「この曲はもう"尾崎豊さんリスペクト"というイメージで、とにかく切ない、悲しい曲というのをテーマにして作りました。とは言え、僕の中でやっぱりバンドサウンドであることは重要だったので、イントロ〜Aメロ〜サビまでの流れにはこだわっています。まさかこのサビが出てくるとは思えない雰囲気のAメロにしようとか、いろいろと試行錯誤をした気がしますね。僕はこういうタイプの曲が好きで作るのも得意なんですけど、歌で世界観を表現するとなるとすごく難しい。だから正直なところ、歌うのだけはちょっと緊張するんですよ(笑)」

06
TRACK 06
紫陽花 (OUTSET ver.)
「和」の雰囲気と、メンバーの個性が交わる

「曲全体を通じて"和"の雰囲気を意識したので、そこにマッチした歌メロを聞いていただけたらなと思います。アレンジはkiyoにお願いしたんですが、kiyoってめちゃくちゃベースが好きなんです。この曲にも自分で弾いたフレーズを黙って入れてくるくらい(笑)。僕、最初気づかなかったんですよ。レコーディングに向けてベーストラックだけを聴いてみたら、こんなフレーズ弾いた覚えねぇぞと(笑)。せっかく作ってくれたから活かしたんですけど、歌いながら弾くことを考えてくれていないからすげー面倒くさい(笑)」

07
TRACK 07
夏の幻
別れの歌詞に、軽やかなビートが絡み合う

「夏の思い出をそのまま形にした曲ですね。「That day」からこの曲まで季節感を強める流れになっていますが、なぜか全部別れの曲という…。この曲もビートは軽やかなのに、別れを描いた歌詞なので全然カラッとしていません(笑)。4つ打ち+裏打ちのハイハットというビートは今まであまり使ってこなかったと思うので、曲調としても新しく感じてもらえると思います。テンポ感と雰囲気を重視した結果、このリズムになりました。ベースフレーズは意外と動きが多くなってしまったんですが、これはまだギリギリ歌いながら弾ける気がします!(笑)」

08
TRACK 08
Kagero
ワンコードの中に生まれた、物語感

「たまに"少ないコードだけで曲を作りたい"というモードになるんですが、この曲がまさにそう。テンポの速いモトリー・クルーというイメージで作っていきました。だから、イントロから1Aメロぐらいまではほぼワンコードで押している感じですし、サビでもあまり展開が激しくならないようになっています。こういう展開の中でもしっかりと物語感が出せたと思っていて、そこを聴いて感じてもらえたらうれしいですね。あとは、"厨二病"たっぷりな歌詞。別れの曲が続いた後にこの曲が来るので、聴いてくれた方からちょっと心配されそうですが(笑)」

09
TRACK 09
Motto! (OUTSET ver.)
ギターリフから始まった、新たな試み

「もともとはギターリフから作り始めた曲だったんですが、途中から同時に歌詞を書いていき、その歌詞の雰囲気に合うように曲を仕上げていったんです。聴きどころはギターでしょうか。この曲では原田喧太さんがギターを弾いてくださっているんですけど、ブルースやロックンロールを感じるフレージングがどれも良いんですよ。特にギターソロは引き算の美学が光っているというか。あと、サビで同じ言葉をずっと繰り返し歌うことは初めての試みだったので、自分としても新鮮で楽しめましたし、注目して聴いていただきたいポイントです」

10
TRACK 10
君が笑うなら
王道ビートロック、応援する人へ向けて

「王道のビートロックを目指して曲を作り、応援してくれている人へ向けて歌詞を書きました。原曲自体はかなり昔からあって、そのときに仮で歌詞まで載せていたんです。今回はその当時の歌詞を今の自分が再解釈していく感覚で進めていったんですが、結果的に多少言い回しを整える程度で、意味合いとしてはほぼ変えていません。曲のポイントとしては、やっぱりアコギのサウンドですね。エンジニアさんも通常より存在感を出すようなミックスバランスにしてくれていて、アコギらしい爽快感とパーカッシブさのある仕上がりになっています」

11
TRACK 11
Snowfall
心地よい響きが、シティポップ風に彩られる

「僕はギターで曲を作るときにあまりコードを意識していなくて、響きが心地好いかどうかだけで判断していくんです。で、そこからKyrie君がアレンジのときに音を1つひとつ細かく拾ってどのコードなのか探ってくれるんですが、この曲が一番苦労したと言っていましたね。…本当に感謝しています(笑)。曲のイメージはシティポップ風というか、'80年代の歌謡曲っぽさを意識していました。個人的には、この曲のベースの音が結構気に入っていて。あと、歌の隙間を埋めるようなフレージングになっているのもぜひ聴いてほしいですね」

12
TRACK 12
ひとりじゃないから (OUTSET ver.)
再始動の想いを込めた、ラストトラック

「音楽活動を再開してから最初に出した音源で、待っていてくれた方に向けて『あなたたちのおかげで僕は何とかやっています。ひとりじゃないんだと思えています』という想いを伝えたかった曲です。そういった想いは歌詞だけじゃなく、曲構成の中にも表れているなと思います。例えば途中で気持ちが昂ってカオスになるような間奏だとか。だからこそ、歌詞をじっくり聴いてもらうような雰囲気ではなく、アップテンポの曲でノりながら想いを感じ取ってもらえればなと思っていました。この曲の聴きどころはそこに尽きるかもしれません」

ここまで収録曲すべてについて語ってきました。もちろん僕が「こういう想いで作りました」と伝えて「そうなのか」と思いながら聴いていただくのも良いんですが、やっぱりアルバムを受け取った方が聴いて感じられたこともその人にとっての答えだと思うんです。

皆さん一人ひとりがそういう風にいろいろな想いで自由に聴いてくださったらうれしいですし、そうなったら本当の意味で"みんなで作った"というところで今回のアルバムは大成功なんじゃないかなと思っています。

Interview & Text HIROKI KATAGIRI
  • X